加齢に伴い口腔機能や嚥下機能は低下しますが、口腔内の清潔を保つことはとても大切です。特にご自身で口腔内の清潔を保持できなくなると「誤嚥性肺炎」に罹患する確率は高くなります。

誤嚥性肺炎は在宅介護では適切な予防をすることで、予防できることが知られていますがその一つとして適切な口腔ケアを行うことが奨励されています。

今回は在宅や介護の現場で行う口腔ケアの役割と目的について再確認できるように分かりやすくお伝えしていきますね。

【口腔ケアの役割】

口腔ケアの役割は、全身状態が悪化すればするほど重要となります。

嚥下機能や経口摂取が難しくなると、口腔内に残渣がたまりやすくなり、細菌や微生物の温床となります。

通常であれば免疫や耐性があるため、口腔内の細菌により、病気にかかることは少ないでしょうが、全身状態が悪化し免疫や耐性が低下している場合は罹患する確率が高くなってしまいます。

口腔ケアを正しく行い口腔内の清潔を保持する事は、このような病気を予防するのにとても重要です。

 

【バイオフィルムってご存知ですか?】

「バイオフィルム」を簡単に説明すると「細菌の塊」のことです。

強い粘性があり歯や口腔内に付着し、誤嚥性肺炎を引き起こす原因の一つとして知られています。

口腔ケアではこのバイオフィルムを破壊するし除去することが大切ですが、うがいなどでは除去が行えません。

歯ブラシやスポンジで擦り物理的に除去することが必要とされています

うがいを行うのは、破壊されたバイオフィルムの多くが口腔内に残るのを防ぐために行いますが、その際除去したバイオフィルムが喉頭内に落ち込まないように気を付けることが大事です。

 

【口腔ケアをする際に意識する事】

多くの場合が嚥下機能や口腔機能が低下した方が当てはまると思いますが、その場合はまずは誤嚥させないポジショニングや環境を作ることが大切です。

一般的には頭部を30~45度前屈させ顎を引くことで、気道に誤って誤嚥する確率が下がると言われています。

また口腔内のケアの仕上げとして口腔ケア用のウェットティッシュふき取ることで、バイオフィルムを喉頭内に落ち込ませないようにすることができますので是非仕上げの際には取り入れてみてください。

【まとめ】

口腔ケアを怠ると誤嚥性肺炎の原因や場合によっては重篤な感染症を引き起こしてしまいます。

特に寝たきりや神経疾患の方では口腔内に残渣が残りやすく、注意が必要です。

最近では様々な口腔ケアグッズも販売されていますが、しっかりと口腔ケアの目的と役割を再確認し口腔内の清潔を保持することが大切ですね。

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