認知症になると物忘れや記憶の低下だけでなく、徘徊や暴力などの問題行動、人格が変わってしまうことも少なくはありません。

まだまだ、認知症への有効な治療は確立されておらず、現状ではどのように認知症を予防していくかが重要になってきます。

今回はよく作業療法のリハビリで使われることが多い「ペグボード」を用いた認知症予防についてお伝えしていきたいと思います。

【ペグボードとは?】

「ペグ」とは木の釘のことで、ペグを専用の穴があいた板に差し込んだり、指先を使用して順番や向きなどを変えたりと主に作業療法のリハビリで使用されることが多い道具です。

子供のおもちゃ売り場にも似たようなおもちゃがあるため、物を見ると実際はご存知だったこともあるかもしれませんね。

ペグボードのリハビリで使用する際は、主な対象は脳卒中の方が多く、手指の巧緻性の改善や把持、把握、リーチ動作を改善するために使用されているのが一般的な使い方でした。

最近では脳卒中後の患者さんだけではなく、デイケアなどでも認知機能が低下している高齢者に「脳活性化療法」として用いられており、施設の認知症予防のレクリエーションとして使用されるようになってきています。

【ペグボードの使い方】

イメージは積み木が近いのではないでしょうか?

ペグには大きさの同じものから大きいもの、小さいものなど様々な大きさのペグが存在します。大きさの違うペグを使用する事で、認知症の方が実際に大きさの違いを認識できているかどうかわかります。形や色に関しても同様で、空間や色彩を識別できているかどうかが分かるようになっています。

【ペグボードの応用編】

ペグボードは認知機能だけでなく、日常生活などの場面を想定するなど応用して使うことができます。

例えば食事動作を想定して箸でペグを掴み移動させる事や立位でペグを行いバランス訓練が行えるなど転倒予防にも利用できます。

スタッフ間で実際の利用者さんがどのような場面で困ることが多いかを話し合い、実際にペグで行う動作を検討してみるのも問題を共有できるのでおススメです。

【まとめ】

ペグボードは主に作業療法などで脳卒中後のリハビリに使用されていました。

近年では、認知症予防や認知機能が低下した高齢者に指先を使用してもらうことで、認知機能の低下の予防や脳の活性化につながる作業としても注目されています。

スタッフ間で問題を共有し、ぜひペグボードを認知症予防に向けて活用してみてはいかがでしょうか?

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