またまた素敵な研修報告をいただいたのでお伝えしたいと思います。

 

長文なのでゆっくり読んでください。

 

今回の研修は、希望としての介護フェスタ2018「やりたい介護を形にする施設運営とチームづくり」です。

 

それではどうぞ~~~

 

本日の講師でもある園さんは代表でありながら、看護師と相談員の仕事に現場で就いている。

①施設運営に必要なこと
原因論(業務)とは車で例えるなら、故障個所を探し直すという事。これを対人に当てはめて直接注意してしまうとトラブルの元になる。

目的論(SFA・ケア)は良い未来を想像し指摘する。

褒めるのは良くない。褒め慣れしてしまい、褒められる場合でしかやらなくなる。

逆に褒める方は褒め疲れになり、その人が出来ないと「何でできないの!?」と感情が怒りに変わる。

園「上下関係のもと立場は違えど平等と思って仕事をしている。」「部下でも敬語。休み時間はグダァ~。」「業

務改善とは人間関係改善であり、自分自身との関係改善でもある。」

原因論で注意してしまうと・・・反発・言い訳・沈黙でしか返ってこない。

目的論で考えると・・・ミカンっていいな⇒アサーション⇒リソースフル重視

「みかんていいな」は気持ちいいコミュニケーションの合言葉。
 み~見たこと=事実 をお互い共有
 かん~感じたこと=自分の気持ちを伝える
 てい~提案してみる
 いな~相手の考えをきく。いな(否)と言われたら、柔軟に代替策を考える。
     

アサーション・・・双方向のコミュニケーション。「肯定・否定・肯定」肯定でサンドイッチする事で、相手を傷つけない。

 

リソースフル・・・感情が豊かでいい状態。

 

2:7:1の法則・・・「10人いれば、2人は気の合う人、7人はどちらでもない人、1人は気が合わない人」という事。

 

(例1)「被害妄想があるから薬を出してください」
   肯定「そうなんだ。対応大変でしょ?」
   否定「ドクターに相談しやすいように、一週間みんなで記録を残してくれると助かるな~」
   肯定「教えてくれてありがとう。また何か気がついた事があったら教えてね~」

 

(例2)「新人が育たないんです」
  Aさん「ちゃんと教えてあげた?」
  Bさん「ちゃんと教えました。」
  Aさん「じゃあちゃんと伝わった?」
  Bさん「え・・・」

この時の「伝えました」は一方的なこと。新人ができないと「何で!?」「なんでできないの!?」と迫る(詰問という)。結果できない新人になってしまう。    

 

挨拶の返し方⇒相手の1.5倍で返す。
 

仕事ができる人(がんばり屋)程、「私はできない」と感じてしまう。自分の中のハードルが高い。

 

≪現場で出来るコミュニケーションの取り方≫
7秒でできるコミュニケーション

①とおりすがり承認

②とおりすがり感謝

③とおりすがり貢献

 

1分コーチング

①「さらにどうなったらいい?」 

②「本当はどうなったらいい?」

③「その為に何から始める?」  
    

※①は良い時、②は悪い時
   

5分コーチング

具体的な行動プランに落とし込む。「明日から何ができそう?」

 

(面談)スマホ・PCを使いながらはNG⇒関心がないと思われる。
              対面NG⇒聞く側が分析・評価してしまう。
                OK⇒横に座って同じ方向を(風景)を見ながら聴いてあげる。
                   →相談者の関心に関心がある。
                    隣にいると一体感が生れる。   

②共有ゾーン・・・お互いにとって「そうであって欲しい事」
 NGな事として:■人格軽視・聞き下手
         ■ダメ出し・結果主義
         ■減点主義・レッテル張り
         ■失敗を非難
  

昔は会社という枠の中に全てが収まり、〝個性〟は排除されていたが現在は個性も活かさなければいけない時代。

 

③良いチームの循環モデル
  

ライフパートナーなら・・・
理念「お年寄りの嫌がることをしない」
日常の介護:機械浴は使わず家庭浴を使用、食べたいものを食べる・おかわり自由、無理やり食べさせない、下剤に頼らない・トイレに座って排泄、オートロック等の鍵をかけない、向精神薬に頼らない。

職員がやりたい介護はどんどんやってもらう。
介護は〝トライ&エラー〟正解はないからどんどん取り組む。

存在承認⇒挨拶,アイコンタクト   
行動/結果承認⇒例)「〇〇さんトイレにお連れします」⇒「お願いします」⇒「○○さんトイレ終わりました」⇒「ありがとうございます」 ➡普段スルーしてしまっている事をコツコツ積み重ねるだけで現場の雰囲気は変わる。

 

④《瞑想》:「今」に集中する瞑想・・・5分程度の瞑想だったが、頭の中が真っ白になった感覚。

 

⑤アンガーマネジメント(園さんはアンガーマネジメントファシリテーター)
 アンガー=怒り / マネジメント=後悔しない事
 怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らないようになる事。
 「怒らない」という事ではない。
 ※上手に表現できる=他人を傷つけず、自分を傷つけず。モノを壊さず上手に怒っていることが表現できる。

 

怒りとはなにか
感情表現:自然な感情の一つ,なくすことは不可能
機能・役割:身を守るための感情(防衛感情)

問題となる4つの怒り
(タイプ)強度が高い:小さなことでも激昂する、強く怒りすぎる
   持続性がある:根に持つ、思い出し怒りをする
    頻度が高い:しょっちゅうイライラする、カチンとくることが多い
   攻撃性がある:他者を傷つける、自分を傷つける、モノを壊す

怒りは第二次感情:例えるならコップの中に“不安・疲れ・悲しい・辛い”等の感覚が蓄積し、それがいっぱいになり溢れ出した状態が怒りである。
※自分の中で感情と向き合うことが必要になる。

 

アンガーマネジメント3つの暗号
①6秒衝動のコントロール
 怒りがMaxな状態は最初の6秒(長くて)。
 その6秒を待つためにすること・・・

指で手のひらに書く(頭にきたこと,イライラ)

イライラ・怒りの温度をはかる。0は穏やかな状態、10は人生最大の怒りというふうに10点満点の点数をつけてみます。点数をつけることで冷静になれるし、対処法が考えられる。これがアンガ―マネジメントの第一歩である。
⇒結果的に「この前もあったかな?」「これは瞬間的にだけで大したことじゃない」等、自身の怒りを客観的に把握できる。

 

②私たちを怒らせるものの正体
〝べき〟である。自分の願望,希望,欲求を象徴する言葉。
一見すると、とても正しいように思える『べき』だが・・・人には〝それぞれに〟この『べき』がある。「会社は」「上司は」「男(女)性は」「ルールは」等、「○○はこうあるべきでだ」という理想を持っている。この理想は
必ずしも誰もが同じものを持っているとは限らない。むしろ違うのが当たり前。
しかし、この自分の『べき』と他者の『べき』がぶつかるとギャップが生まれ、それが怒りと言う感情に変わる。
    

三重丸 思考のコントロール
①~②の範囲が大きい人を〝器の大きい人〟と呼ぶ。

 

③分かれ道 行動のコントロール
許せないことが発生し、怒りを感じた際の対処方法を4つに分けてる。重要なのは、結局どういう結果が欲しいのかということ。怒りに振り回されず、発生したその状況をどうしたいのかといった目的をしっかりと意識し、行動することが大事。

 

怒りの性質
◇高いところ(上司)(親)から、低いところ(部下)(子)へ流れる
◇身近な対象ほど強くなる(「言わなくても分かるでしょ」と思いがち。)
◇矛先を固定できない(強い怒りをコントロールできないと、八つ当たりしてしまう)
◇伝染しやすい(イライラした夫が帰宅すると「なんでそんなに機嫌が悪いのよ」と妻もイライラし、自分の子供や親にあたる)(悪口・愚痴が盛り上がるのもこの性質)
◇エネルギーになる(「次は頑張ろう」「見返してやろう」という次の行動へのエネルギー源となり得る)
  

怒りの連鎖を断ち切ろう
すべての人が自分の感情に責任を持てれば、私達は怒りの連鎖を断ち切ることができる。

 

⑥ライフイノベーションMAP
二人一組で質問する人、答える人を交互に行い、園さんの指示通りに資料から質問をし質問側はオーバーリアクションで答える側の気持ちを聞き出していく。
最終的に答える側は〝今〟の自分を他者の立場から客観的に自分自身に言葉をかける。

 

感想

今回自分自身も初めての分野のセミナーでした。まず業務改善をするには人間関係改善をすればいい事、その為にはまず自分自身と向き合わなければならない事を学びました。
『褒め慣れ』や『褒め疲れ』といった事が〝怒り〟に繋がり、〝ほめる〟と言う事が一概に良いとは限らないと知り驚きました。

相手を傷つけない指摘の仕方として[肯定][否定][肯定]とする方法は、今後の参考になると思いました。
目的論の例題では「こういう場面あるなぁ」と思い、また「新人が育たないんです」という文言に対しては、職場には詰問をしてしまう職員がいるなぁと感じられました。時期として今は新年度の始まりで新人も入ってきました。新人に対して「ちゃんと伝わった」のかをしっかりと確認することを他の職員にも伝えたいです。
実技では「とおりすがり○○」というのを体験しましたが、日頃から職員の働きに関心を持っていないと難しいなと思いました。しかし、言われた方は少なからずポジティブな気分になれるので、実践できるよう努力したいです。

アンガーマネジメントでは、より自分と向き合う事が大切だと感じました。ここで学んだ三つの手法の中で「怒らせるものの正体」がありましたが、相手の意見が自分と違くても「この人はこういう考えの人なんだ」と受け入れる事が大切で、考えの違いを許容できる範囲が広くなれば自分自身の怒りの頻度や強さも減っていくのだと思いました。ぜひ他の職員にもこのことを伝えたいです。

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