加齢に伴い身体の機能が低下してくると、歩く際に膝や腰が痛くて買い物に行くのも一苦労という話をよく聞きます。
最近では配達サービスや介護保険制度による生活援助などサービスが充実してきており、実際に利用されている高齢の方も多く見受けられます。
しかし中には買い物は自分の目で見て好きなものを購入したい・人についてきてほしくないなどの考えを持つ方も多くいるかと思います。
実際にそのように思っている方にお話しを聞いても、“サービスを利用している立場”を意識してなかなかご自身の意見を周囲の方に伝えるのは難しいようです。
移動手段として公共交通機関やタクシーなどの手段もありますが、自宅からのアクセスやタクシー料金を考慮するとなかなか実際に使用するのは難しい方が多いのが現実です。
ハンドル型電動車いす
三輪自転車と電動車いすの機能をひとつにまとめたものが“ハンドル型電動車いす”です。
電動車いすは便利ではありますが、少し大袈裟と思う方、自転車に乗れない方にはおすすめの移動手段です。
電動のためもちろん昇り坂の移動も楽々行えます。
電動と名前がついていますが利用に関しては“免許不要“で”歩行者扱い“になるため歩道を走行することが可能です。
また座席の下には荷物を入れることができるので、買い物の際にも重たい荷物を持ち運べます。
充電に関しては着脱式バッテリーのため室内で充電が行え、1度の充電で20㎞前後の走行が可能です。最近では筆者も街中で運転されている方をちらほら見かけるようになりましたので、もしかすると皆さんも見かけたことがあるかもしれませんね。
操作性及び安全制御装置
操作はスピードレバーを押しながら走行するだけで、停車したい場所でレバーを離すだけ簡単に止まることができます。
速度に関しても最初の設定で決めた後は操作する必要はありません。
方向転換に関しては自転車のハンドルをイメージしていただくのが想像しやすいかと思います。
自転車との違いとして、傾斜やカーブでは自動制御装置が働くため機器が自ら減速や傾斜を感知し警告音で利用者に知らせてくれるようになっています。
そのため安全性が高いことも特徴です。
利用方法
利用法ですが、購入とレンタルの2通りがあります。
上記では利点についてお伝えしましたが、利用法に関してはレンタルをお勧めします。
購入は30万円台~ の価格設定となっており、今後身体が元気になる、もしくは周囲の環境が変わったなどの際には必要が無くなるかもしれません。
レンタルでの利用法ですが、介護保険の適用になります。
福祉機器を検討する方の多くは介護保険の申請をされているかとは思います。
されていないかたは、まずは最寄りの区役所や居宅介護支援事業所に介護保険について相談されるのが良いかと思います。
介護保険を利用されると月額で1万3千円程度の費用になりますが、保険が適用されるので1割~3割で利用することが可能です。
ぜひ一度試してみるのもいいでしょう。
まとめ
加齢により身体機能が低下すると活動範囲が狭まることにより、閉じこもりや認知症を引き起こすことも知られています。
今後自動運転技術や情報通信技術の発展により、介護、医療に関する福祉機器は更に利便性が向上すると思われます。
現在、関節の痛みや病気などによる筋力の低下で外出や長距離の移動が困難な方にとって望む場所にご自身で行けるようになるためにも、多くの方にハンドル型電動車いすを知って頂きたいと思います。