認知症の人の基本的な接し方
認知症介護の中でパーソン・センタード・ケアと言う言葉があります。
これはイギリスの心理学者トム・キットウッド教授(故人)が提唱し、利用者中心のケア、その人らしさを大切にするケアの事を言います。
昔のケアは認知症という病気に焦点を当てていました。
しかし、例えば片麻痺の人に麻痺側を動かせって言ったって難しいですよね?
脳梗塞等と一緒で認知症も病気です。
すぐに忘れてしまうこと等も病気からきています。
なので認知症という病気に焦点を当てるのではなく認知症を抱えた人、性格や生活歴などに焦点を当て、病気だけではなくその人を見つめることが大切となっています。
後ろから声をかけない。
ここがどこなのかもわからない状況でいきなり知らない人に後ろから声をかけられたら誰だってびっくりしますし不安になりますよね?認知症の人はそういう状況におかれていることもあるので声をかけるときは必ず目線を合わせ前から優しく声をかけていきましょう。
沈黙を受け入れる
認知症の人は言われたことを頭のなかで考えるのが早く出来ません。なので私達の会話のスピードにはついてこれないこともあります。なので声をかけたら少し待ってみて下さい。
怒っている人には黙って怒った顔をしてみる。
以前行った研修の講師の方が行ってみたそうですがそのようにすることで利用者さんが落ち着くこともあると言っていました。実際に現場で働いている方が言っていたので是非試してみて下さい。(共感、同じ立場に立ってみる)
困ったときの考え方
認知症の人をコントロールする前に自分を振り返ってみる。 自分のケアを振り返ってみることも時として大切なことです。
認知症はその事柄を思い出せないんじゃなくあったこと自体を忘れてしまう。
よく有ることだと思いますがご飯は何だったかを忘れるのではなく、食べた事自体忘れてしまいます。なのでご飯はもう食べましたよ等言っても理解してくれず立腹することが多いので、今作ってますなど相手の言い分を受け入れたうえで傾聴しましょう。
認知症の人でも感情は残っています。
冷たい態度や強く言われたりすると悲しくもなりますし反発をすることもあります。同じことを言われていたとしても利用者さんはそのことを覚えていないので、毎回はじめてのようなリアクションをして行きましょう。
あるがままに人の話を聞くことは自己の戦いである。自分のことは脇に置いて。関わると「真の聴く耳」は育ち始める。あとは継続するのみ。
認知症の病む人の尊厳を100%意識したかかわり(「人」への絶対的信頼)はケアの道を開く。
認知症を病む人との日々の関わりが、心温まる人間関係を育み、人間にとって何が大切か学ぶ場となる。(金を超える愛の力)
人と繋がることは、魂の触れ合い!人生の質アップ!
プラス思考での考え方
高齢者との関わり方はプラス思考がいいとのことです。プラス思考で関わるときの考え方として言葉を紹介します。 ・高齢者は、我が人生の師
・忘れても幸せに、不自由なく暮らせる生活を支援。
・「今」を大切に、今出来ること輝いて・・
・笑う門には福来る、笑いは何よりの宝、そして慰め
・介護(かかわり)はすべて私自身の為に
・認知症は病気(障害としての個性)であるという視点を忘れず「1人の人間に」に信頼を置く。
プラス思考で関わると物の見方も変わっていくかもしれません。