3K(キツイ・汚い・給料が安い)などとネガティブイメージばかりが先行している介護の仕事ですが、介護の魅力に取りつかれてしまう介護士が意外に多いのをご存知ですか?
「思い」がなければできない仕事といわれる介護職。苦労も多いのですが、それ以上にたくさんの魅力があるんですよ。今回は、そんな介護の魅力についてお伝えします。
介護する人・される人という関係性を通りこした人と人の絆が生まれる
「初めまして」と顔を合わせたと思ったら、数時間後には排泄や入浴のお手伝いなど、人には見せたくない部分まで入り込まれてしまう利用者様と入り込んでいく介護士。信頼関係もなにもあったものではありません。
介護の現場では、こんなふうにスタートすることはごく普通のことですが、自分に置き換えたら屈辱的ですよね。
徐々に距離を縮めていく一般的な人間関係とは真逆で、すべてをさらけ出すところから始まる介護士と利用者様の信頼関係は、一度できあがると強い絆になります。
そして、介護士ばかりが支える役目をしているのかというと、実はそうでもないのです。相手は人生の大先輩なのですから、当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、利用者様の一言で、悩んでいた気持ちが吹っ飛んでしまったなんて経験を持つ介護士が実は多いんですよ。
もしかしたら、介護させていただいている時間より、介護士が人生を学ばせていただいている時間のほうが多いのかもしれませんね。
こんなふうに、ただ単に介護する人・される人の関係だけではない人と人の絆が生まれるのが介護の現場です。
その方の可能性を引き出し目標に向かって二人三脚ですすむ
「生活の場」で同じ時間を共有する利用者様と介護士は「あそこのスーパー野菜が新鮮なんですよ。」なんて何気ない会話をしていることも多いものですが、そんな何気ない会話の中から、その方の本当の思いを引き出したり、生きるはげみを見つけ出すのも介護士の大切な仕事です。
たとえば「子どもが小さい頃は、あの公園によく行ったのよ。」なんて懐かしそうにいった一言。聞き流すのは簡単ですが、筋力アップのために辛いリハビリをされている方なら「もう一度、あの公園に行ってみませんか?」その言葉が辛いリハビリを乗り越える力になるかもしれません。
そうやって、何気ない会話の中からやる気を引き出し、それに向かって一緒に進んで行くチームになることもあるのです。
「できなくなってしまったことを、もう一度できるようになりたい!」口でいうのは簡単ですが、目標に向うとき、辛く苦しい時間が長く続きます。だからこそ達成できたときの喜びは大きいのです。
加齢や病気が原因で、できないことが増えていくのは自然なこと。けど、一日でも長くいきいきとした生活を送っていただくために、介護士として自分には何ができるのか?と真剣に考える時間にはやりがいを感じます。
誰かを必要としている人に寄り添って、まるで自分のことのようにその人のことを考えることは素晴らしいことです。そうやって、利用者様と介護士は、他人同士なのに家族のような不思議な関係を築き上げていきます。
心と心のつながりで寄り添って支える介護は「介護の醍醐味」です。キツイばかりが介護ではありません。ぜひ、介護職ならではの魅力をあなたも味わってみてください。きっと「介護」にはまってしまいますよ。