介護をする人に見てほしい!介護される側の思いを描いた「ある高齢者の独り言」が胸に刺さる

介護の仕事をしていると日々業務に追われ、目の前の高齢者がどんな思いをしているのか考えないケアをしてしまう場面があるかもしれません。

 

認知症になり、わからなくなっていくことの不安、普段の生活では当たり前の自由、集団生活と言う名の拘束、死に近づいていくということ…

 

そんな高齢者の思いや感じていることを考えさせてくれる「ある高齢者の独り言」という動画があります。

 

この動画を見るともしかしたら普段関わっている高齢者が感じているかもしれない思いを考えるきっかけになると思います。

 

「ある高齢者の独り言」の内容


ふと気が付いたら、老いた病人でいっぱいの奇妙な食堂に私がいた。

わたしは何でここにいるのだろう。家で家族と暮らしていたはずなのに。

馴染みの顔を探したけど誰も知らない。どうやって私はここに来たのだろう。

 

ここには私の居場所がない。

ここは規則正しい生活だけど、寝て食べる他には何にもする事がない。

食事やトイレも時間通り。生まれてからずっと自由に生きてきたのに。

私にはつらいなぁ・・・・。
永遠に続くような真っ白な時間。

せめて食後の後にコーヒーがいっぱい飲みたいのに、すぐにトイレヘ、ベッドへ・・・。

あぁ、今日も何もすることがなかった。

ここは寝る時間も決められている。集団生活だからしかたないのかね・・・。

夜は7時に電気を消されてしまう。だから夜中に目が覚めて、それからの時間の長い事。
それから・・・昔から朝は食べない習慣だったの。

ありがたいんだけど、朝からあんなに沢山食べれないよ。

健康にはみんな気を使ってくれるけど、ここでは全部食べるまでなかなか下げてくれないんだよね。

『 がんばって 』って励まされるのはつらいなぁ・・・。
それから大きな声で『 全量ですっ!!』 って、他に人にも聞こえる声で報告されてしまう。

恥ずかしいなぁ・・・

血圧も、体温も、体重もみんなには聞こえないように耳元で教えてほしいなぁ。

愚痴ってごめんなさい。
でもね・・・・。一番つらいのは一人じゃ何もできないってこと。何でも誰かに頼まなきゃいけない。

足腰が弱くなってね、夜はトイレが近くなるからお茶は我慢してる。みんな忙しそうで・・・・。

トイレが近くなると困るから、できるだけ、喉が渇いても我慢してる。
でもだいぶここでの生活にもなれてきた。

着替えないで寝る生活。週に2回のお風呂の時にしか着替えられない。

はじめは嫌だったけど、お風呂はもともと好きじゃないし、明るいうちにみんなで入るのって恥ずかしいし。

職員も長靴にエプロンで汗だくで申し訳ない。だから男の人でも女の人でも少しは我慢しなくちゃ。
ここでの楽しみねぇ・・・
週に2回、『 リハビリの時間ですよっ。』 って白い服をつけた若者が迎えにくる。

手すりの中で行ったり来たり、足腰が弱らないように頑張っている。

でも、どこにも行くところはないんだよねぇ。

それから時々はレクの時間がある。この前は書き初めをした。

出来あがったらベッドの側に飾られて、子どもだけにはみられたくないなぁ。
今日は日曜日かな?

何もない一日は本当に時間が長い・・・・。ひたすら天井をながめる。
『 ここは畑と一緒 』ってお隣さんが言ってた。『 栄養と水分を与えられるだけ 』 だって。

上手い事いうよね。
せめて、死ぬ時がわかったらいいのにね。最期の日ぐらい家族と過ごしたい。

まだ、お家の事を覚えているうちに、知ってる顔に囲まれてその時を迎えたい。

だから死ぬ時がわかったらって・・・。
ふと気が付いたら、老いた病人でいっぱいの奇妙な食堂に今日も私がいる。

 

この動画は「認知症臨床研究会in沖縄」で発表された動画です。

 

もしかしたら普段関わっている高齢者はこんなことを感じているのかもしれないと思うととても切ないですね・・・

 

関わり方を考えさせられるとても学びになる動画だと思います。

 

最後に動画を載せておきます。

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