医療技術は驚くほど進歩しましたが、誰しもが必ず最期を迎えることは変わりありません。場合によっては大切な方を看取る機会もあると思います。

辛そうな姿や意識がもうろうとしている姿を見ると何をしてあげたらいいのか分からなくなってしまいますよね。

今回はターミナル(終末期)の際に大切なことについてお伝えしていきたいと思います。

 

【自分では身体を動かせないことへの配慮】  

最期の時が近づくと本人は自力で体位を変換することは難しく意識もはっきりしない場合が多いのではないでしょうか?

褥瘡を予防するために体位変換を行うことも大切ですが、「寝たきり」で身体を動かせないことへの苦痛にも考えを巡らせてみることが大事です。

健康な方でも身体を動かせないと苦痛に感じてしまいますよね。

福祉機器の中には自動で耐圧を分散するために時間ごとに体位変換を行うベッドもあります。ベッドを起こして視線を変える、移れるのであれば車椅子へ移乗してみるなど、身体を動かすことで苦痛を取り除く配慮が大切なポイントです。

 

【関節拘縮を予防する】

身体を動かすことができない期間が続くと、筋肉が固くなり関節の動きが悪くなる「関節拘縮」と呼ばれる状態になります。

一度拘縮が進んでしまうと、元の状態に戻るのは簡単ではありません。

介護の際によく目にするのは、股関節や肩関節が拘縮してしまい、おむつ交換や更衣の介助が大変になることが多くみられます。また手指についてもグーの状態が続き手指を開くことが難しくなります。

ある程度の拘縮の進行はみられることが多いですが、適切な関節運動を行うことで関節拘著しい拘縮を予防することは可能です。

 

【清潔の保持】 

寝たきりの状態が続くと汗や排せつに伴い身体が不潔になりやすくなります。特に関節拘縮は、身体が不潔になりやすい要因の一つです。

口腔内のケアについても大事です。嚥下機能が低下している場合は、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があるため、看護師や歯科衛生士などの専門スタッフにケアの方法を相談するのが望ましいでしょう。

 

【食事はどうする?】

経口摂取ができるのであれば、誤嚥に注意して食事をしてもらうことが大事です。胃瘻や腸瘻の場合でも、臭いをかいだり可能であれば口に含んだりすることも効果的です。

一番怖いことは誤嚥性肺炎なので、栄養士や看護師に相談し、きざみ食などの食事形態の工夫や食事の際の姿勢にも配慮が必要となりますね。

 

【まとめ】

ターミナル(終末期)はできることが限られてしまうと思いがちかもしれませんが、方法によってはリスクさえ管理できれば工夫次第でいろいろな事が行えます。

上記で述べた点は、最低限知っておいてほしいことですので、その人個人に合わせた最期を迎えることができるよう、御家族、医療職、介護職の連携を深めることが大事になります。

最近ではエンディングノートを言って自身の最期をどのように選択するかといった商品も目にするようになりました。

この機会に自身や大切な方との最後の在り方について話す機会を持つこともいいかもしれませんね。                                          

 

記事募集中!!

介護のしあわせスイッチではあなたの知識や技術、情報、試験の勉強法、感想などを募集しています。

あなたの技術を発信してみませんか?

記事募集用フォーム