新しい認知症予防“コグニサイズ“を指導しよう

みなさんはコグニサイズという運動をご存知ですか?

 

“コグニサイズ“とは国立長寿研究センターが開発した認知症予防のための運動です。

 

具体的には運動と認知課題(計算、しりとりなど)を組み合わせたもので英語のcognition(認知)とexercise (運動)に由来する造語です。

 

介護現場で働いている方は、特にお分かりになると思いますが、要介護者の4人に1人が認知症と言われるほど多くの方が認知機能に低下を認めています。

 

認知症の治療薬に関しては未だ有効な特効薬もないのが現状で、認知症による高齢者の事故など様々な社会問題が表面化してきています。

 

これからの高齢化社会は認知症の予防が重要となってきます。

 

ぜひコグニサイズを介護現場や地域の活動で指導できるようになりましょう。

 

目次

コグニサイズ

上記でコグニサイズについて簡単に述べましたが、ここでは方法について記載していきたいと思います。

 

まず“コグニサイズ”に決まったルールはありません。運動と認知課題(頭の体操)の組み合わせですが、どちらも自由に指導者が決めることができます。

 

運動に関しては転倒に注意しながらバランスエクササイズや有酸素運動を取り入れることが望ましいでしょう。

 

認知課題に関しては運動への意欲を引き出すためにも、皆さんが楽しめる課題を設定しましょう。そのため特に認知課題は、指導者の腕の見せどころではないでしょうか?しりとりや、計算課題ではなくご当地の観光名所や歴史などを利用したものも面白いかもしれませんね。ぜひ自身のオリジナルの“コグニサイズ“を考案し普及させてください。

 

課題の負荷

運動は自由に組み合わせても大丈夫ですが、負荷設定は注意して決めていきましょう。

 

身体を動かす時には、自覚症状では「ややきつい」と感じるぐらいの運動強度でと記載されています。ここで、一工夫して利用者さんに分かりやすく説明するためにも、修正Borg scale表などを利用して日々の課題に対する自覚的な感覚を数字でフィードバックしてあげましょう。経時的な変化を視覚で確認することはモチベーションアップにも繋がるので活用してみてください。

 

指導者側が客観的に課題の負荷を評価する際には「お喋りしながら活動できる」を目安に課題を設定してください。これは利用者さんが自宅で運動を継続するのにも、負荷についてわかりやすく説明ができます。

また、お喋りができない強度だと脈拍や血圧の過度な上昇の危険性があるため、休憩を取り入れる必要があります。

 

コグニサイズ指導者

コグニサイズの指導者の資格を取得するには“コグニサイズ実践者研修“を受講する必要があります。研修は1日間(7時間)で認知症予防の概論からコグニサイズの実習を得て終了証明証書を発行してもらう必要があります。

 

現段階では個人の申し込みは対応されておらず、介護予防に関わる実務の経験を保証するため所属事業所からの推薦が必要となっています。自施設のアピールポイントや自身のキャリアアップのためにも興味がある方は、まずは所属先に相談されることをお勧めします。

 

まとめ

身体の不活動が認知症の進行の高いリスク因子とされている今“コグニサイズ”を取り入れて認知症を予防していくことはとても重要なことです。これから更に介護職の需要が高まる中で“コグニサイズ指導士”を取得し介護職としてのキャリアアップ、及び活動の場を広げていきましょう。

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